「1年生だから思い切り投げてこい」。先輩らの言葉が、1年生ながら初出場試合で先発を任された関西学院大学準硬式野球部・水渉夢投手(人間福祉学部1年)を励ました。
水投手は小学2年生から軟式野球を始め、大学から準硬式野球に転向した。軟式野球と準硬式野球ではボールの構造が異なるため、投球感覚を調整する必要があった。
しかし同大準硬式野球部は新型コロナウイルスの影響で、昨年8月頃までキャッチボール練習が禁止になった。投手にとってキャッチボールの禁止は致命的であったが、自粛期間中は実際の投球を行わず、タオルを振ることで投球動作だけを繰り返すシャドーピッチングを用いて投球感覚を忘れないよう励んだという。
準硬式野球部は、昨年度の関西六大学準硬式野球秋季リーグ戦では最下位だった。しかし、今年度の秋季リーグ戦では、無敗で優勝を勝ち取った。水投手は最優秀投手、最多勝利投手、新人賞、ベストナインという個人成績を収め、準硬式野球部優勝の立役者となった。
18日からは、全国大会につながる春季リーグ戦が始まる。「試合から分かった自分の課題を改善して、より上のレベルで戦える投手になりたい」と水投手は力強く語った。(一宮麗果)