岡山シンフォニーホール(岡山市北区)で20日に始まった第74回全日本合唱コンクール全国大会の大学職場一般部門で、関西学院グリークラブが関西代表として大学ユースの部に出場。金賞と、大学ユースの部2位に当たる岡山市教育委員会教育長賞を受賞し、11大会連続の金賞となった。
グリークラブが歌ったのは、ジョアキーノ・ロッシーニが作曲した課題曲「Preghiera(祈り)」と、自由曲として関西合唱コンクールで披露した「合唱のためのコンポジションIII」から、「艪(ろ)」「引き念佛(ねんぶつ)」。平見佳久部長(教育学部4年)は「課題曲と自由曲は本来なら昨年度に歌う予定だった3曲。そういった意味では、2年分の思いを背負って歌った」と説明した。
出場した9団体のうち、同部のみ、大学との話し合いの元、マスクを着けて歌った。パートリーダーの金田秀崇さん(社会学部4年)は「マスクを着けて歌うと、丁寧に言葉を処理する必要があるため苦手。だが、今までの常識を超える演奏になった」と話した。
会場を訪れた地元の50代女性は「マスクを着けて歌いづらかったとは思うが、ほんのわずかな小さな音まではっきり聴こえてきた。素晴らしい演奏だった」と感激した様子だった。
本大会は、4年生にとって学生生活最後の大会となった。平見部長は「今年は思わぬ規制がある状況でも結果を出せることが証明できた。今回の大会はやり切った」とし「3年生は自分よりも音楽に詳しく、情熱的な部員が多い。今は経験不足だが、この大会の経験や思いを生かして成長してほしい」と期待を寄せた。
同部の森一眞さん(教育学部3年)は「(11大会連続金賞は)プレッシャーを感じるところがある。それでも、来年は最優秀賞に当たる文部科学大臣賞を取るので、今後の活躍に注目してもらえたら」と意欲を示した。(柴崎辰徳)