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カレーの市民アルバ

 1996年から阪急甲東園駅前に店を構えている「カレーの市民アルバ」。この店の看板メニューが、ステンレス皿にご飯と特製の濃厚なルー、千切りキャベツが盛り付けられた珍しい金沢カレー。ステンレス皿にこれでもかというほど盛られたご飯に、トッピングが隠れて見えなくなってしまう量のルーがかかった、ボリュームたっぷりの一品となっている。

 「カレーの市民アルバ」の店長である松尾さんは、親戚が石川県金沢市で金沢カレーの店を経営していたため、甲東園でこの店を始めることとなった。毎日店に立つことで、全国各地からやってきた学生と友好を深められることを楽しみとしているという。仲良くなった学生の内定祝いなどをすることもあるそうだ。

 この店のメニューは多くはない。様々なトッピングはあるが、松尾さんはカレーのルーの味に重きを置いている。「カレーのルーは生もの。メニューの多さよりおいしい料理を提供することが大事だ」と語る。言葉通りこの店のルーは様々なスパイスが合わさり、とても深い味わいを創り出している。

 学生や常連向けの割引や日替わりのサービスメニューなども充実している。松尾さんは体育会系の学生や常連などには、個人の予算に合わせてライスの量を調整しているという。日替わりのサービスメニューについては、来店時間によって提供する値段が変わるという珍しいものとなっている。12時までに来店すれば通常では750円のメニューを600円、閉店までに来店すれば650円で食べることができる。

 さらに、夏場にはカルピス、その他の季節にもぶどうなどの無料サービスを行っている。ただ料理がおいしいだけの店ではいけないという松尾さんの粋な計らいだ。

 松尾さんは関学生に向けてこのようなメッセージを残した。「今みなさんが生きているのはとても困難な社会だ。決して楽な学生生活ではないだろうと思う。苦しい時こそ困難な人生を切り開いていってほしい」。寡黙だが人情に厚い、多くの経験をしてきたであろう松尾さんの口から語られるこの言葉には、胸を揺さぶられるものがある。

 これから寒い季節が来る。スパイスの効いたボリュームのあるカレーで体を温めてみてはどうだろうか。人情に厚く温かい店長に会いに行くのもまた、心が温まるだろう。

基本情報

関学愛にあふれる装い
ボリュームたっぷりのチキンカツカレー
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