サイトアイコン 関西学院大学新聞

社会人大学院生がドキュメンタリー映画に出演 性暴力当事者への支援を訴える

 8月22日、ドキュメンタリー映画「声をあげるということ―性犯罪 刑法改正の記録―」の上映後、元町映画館(兵庫県神戸市)でトークイベントが開かれた。同映画に出演した石田郁子さん(関学大院社会学研究科博士前期課程1年)らが登壇した。

 映画では、花を手に性暴力に抗議する「フラワーデモ」などで声をあげてきた性暴力のサバイバーらを追った。こうした性暴力被害者らの声は、2023年の性犯罪に関する規定が大幅に見直された改正刑法の施行につながる社会的な動きの一つとなった。

 この法改正では、強制性交等罪と準強制性交等罪が統合され、「不同意性交等罪」に改称された。これにより、同意のない性行為が処罰の対象となった。また、性的行為への同意を判断できるとみなす「性交同意年齢」の引き上げや不同意性交等罪の時効の延長なども行われた。

 石田さんは、約30年前、札幌市立中学の3年生だった頃から数年間、同校の男性教員(当時)からわいせつ行為を受けた。石田さんは性暴力の当事者として、自身の経験や考えについて声をあげ続けてきた。そうした経験から、声をあげ続けることに大きな精神的負担を感じた。そのため、「(性暴力の)当事者が主体的に声をあげるためのサポートが必要だ」と訴えた。

 また、「性暴力の当事者に関する報道は増えてきたが、性暴力の当事者が(自身の経験や考えを)言いやすくなっているわけではない。被害者の立場を理解している人は少ない」と話す。周囲の人には、被害者の話に耳を傾け、サポートしてほしいと呼びかけた。

 石田さんは、今年の4月から社会学研究科博士前期課程で、学校教員による児童生徒への性暴力について研究している。自身の考えを学術的な形で残したいという思いから、大学院への進学を決意したという。

 関学生には「困難な経験をしたからといって、一生不幸だとは限らない。その後、大学院に進学したり、映画に出演することは想像もしていなかった。いろんな生き方があるということを知ってほしい」と語った。

モバイルバージョンを終了