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【地域】京都で地球環境について考える 山極壽一氏登壇

「KYOTO地球環境の殿堂」国際会議・未来会議が9月20日、国立京都国際会館メインホールであった。地球環境の殿堂とは、京都議定書誕生の地である京都で、世界で地球環境の保全に貢献した人物の功績を称えるものだ。

 京都大学総長を経て、総合地球環境学研究所所長(「KYOTO地球環境の殿堂」運営協議会会長)である山極壽一(じゅいち)氏(73)による基調講演が行われた。講演の中で山極氏は、人間には「文化」が不可欠であるにも関わらず、SDGs(持続可能な開発目標)には含まれていないことを問題として挙げ、自然環境と密接につながる人間の「文化」の問題こそが地球環境問題の根幹だと訴えた。

 その後、株式会社QuizKnockの最高経営責任者でありクイズプレーヤーの伊沢拓司氏(31)が登壇し、山際氏との特別対談が行われた。

対談では、山極氏の研究対象であるゴリラについて、クイズを交えながら進行した。山極氏は日本と西洋の自然観の違いに言及し、人間と自然が共存し、人間が自然を利用するしくみの重要さを強調した。

さらに今年は京都議定書発効20周年を記念し、未来会議に参加した学生が未来への宣言を発表した。未来会議では、国内外の高校生・大学生が自然環境と京都文化との関係について、5月から8月にかけ、三つのプロジェクトに分かれて探究活動をしていた。

探究報告をする学生ら=2025年9月20日、国立京都国際会館メインホール、八島みのり撮影

各プロジェクトによる発表後、代表者は環境を守るための決意を込めた「未来への宣言」を山極氏に手渡した。

「未来への宣言」を受け取る山極壽一氏=2025年9月20日、国立京都国際会館メインホール、八島みのり撮影

学生たちによる「未来への宣言」を受け取った山極氏は、「人間の最大の能力は共感力である。若い世代が先人の思いを未来に受け継いでくれることはありがたい」と語った。

最後に、「彼らの未来への挑戦に大いに期待したい」と述べて締めくくった。

(八島みのり)

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