混声合唱団エゴラドが8月22日、大阪・関西万博EXPOナショナルデーホール「レイガーデン」で開かれた国際連合のスペシャルデーに出演した。関西地方で活躍する若い世代の積極的な参加をしてほしいとの思いでエゴラドに出演依頼があった。エゴラドからは計43人の部員が参加した。
式典には来日中の国連のアントニオ・グテーレス事務総長や高円宮承子さまが参列。その他一般人も含め500人を超える聴衆がいる大舞台の中、司会者が「世界中の音楽表現に共通する唯一の楽器は人の声、つまり歌ではないでしょうか」と紹介し、エゴラドは堂々と2曲のアカペラ合唱を披露した。
1曲目は「瑠璃色の地球」。正指揮者の内海小春さん(文学部3年)は挨拶で「人工物に囲まれて生きる現代だからこそ、自然を慈しみ、地球に恩返しができる社会にしていきたい」という思いを込めて演奏した。歌詞の「ひとつしかない私たちの星を守りたい」のように参列者はこのかけがえのない地球へ思いをはせた。
2曲目は合唱曲「もう一度」。副指揮者の川田悠悟さん(文学部2年)は挨拶で「この歌が誰かの心に届き、もう一度希望を持って生きたいと願う小さな声に寄り添うことを信じています」と語り、祈りを胸に歌い上げた。
合唱が終わると会場から大きな拍手が巻き起こり、壮大な式典を華やかに締めくくった。日本語が分からない外国人も多く集う万博の会場で、エゴラドは音楽、そして歌という世界共通の言語を通じて心を通わせた。その響きは国や文化を超えて広がり、聴衆をひとつに結びつけた。
チーフマネージャーの神長倉万結さん(法学部3年)はこの大舞台での披露を終えて「言葉が違っても歌で心が通じ合えることを実感しました。歌い始めた瞬間に海外の方がカメラを向けてくださったり、〝良かったよ〟と声をかけていただいたりして、とても大きな喜びを感じました」と合唱の力を改めて知ることができたと語った。
正指揮者の内海さんは「特別な舞台ということで曲の思いを共有し、団員の内面的な理解を深めることを意識しました。その結果、本番ではメッセージ性があり心に触れる演奏ができたと感じています」と振り返った。内海さんはこれからの抱負として、「10月のコンクール、12月の定期演奏会に向けて技巧的な練習も重ねますが、常に〝思いを伝える〟ことを大切にしながら団員全員で音楽を作り上げていきたいです」と万博での経験をもとに次なる意欲を見せた。
万博で響いた歌声は、国や言葉を超えて観客の心を結びつけた。その経験を糧に、エゴラドの挑戦は続いていく。
(田爪翔)