神戸市と関西学院は2023年12月22日、神戸市灘区の王子公園への新キャンパス設置にむけて、基本協定を結んだ。
関西学院は2029~2031年の開学を目指している。1929年にメインキャンパスを原田の森(現在の王子公園周辺)から西宮市上ケ原へ移転してから、100年ぶりに再び「発祥の地」に拠点を構えることとなる。
関西学院は、創立150周年を迎える2039年を見据えた長期ビジョンと長期戦略からなる「Kwansei Grand Challenge2039」という将来構想を掲げている。その一環で、23年6月19日に神戸市の「王子公園再整備にかかる大学設置・運営事業者公募」の優先交渉権者に決定した。
新キャンパスの全体コンセプトは、「自分で、みんなで、未来を起動するオープンイノベーション」だ。
関西学院は日々変貌を遂げる社会を見据え、課題解決に焦点をあてた文理融合かつ学際的な学び、国際都市神戸にふさわしい国際性、多様性に重点を置く。加えて最先端のデジタル技術を駆使し、既存キャンパスとの連携を構築する。また、地域との交流を軸に、王子公園と一体となった開かれたキャンパスを目指す方針だ。
関西学院大学広報室企画広報課の中谷良規さん(46)は、「関西学院大学がよりよい発展を続けていくために検討を重ねている。国際性・産官学民の連携・デジタルという関学の強みと新たな概念を融合し、地域・社会・世界がリアルにつながる場にしていきたい」と話す。
関学大の設置に対し、周辺住民から根強い反対の声がある一方で、「応援する」、「活気あふれる町になるので大歓迎だ」という声も集まっている。中谷さんは「様々な声に向き合い、寄せられた声は学内で共有するようにしている。構想の具体化はまだ先かもしれないが、温かく見守ってほしい」と述べた。 (越智優介)