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(タイムスリップ)社会をより良く変える 大迫めぐみさん

 大迫めぐみさん(修士課程1年)は、人間福祉学部で学び、卒業後は他大学大学院の修士課程で社会福祉を研究している。

 関学大での3年次と4年次に福祉施設で取り組んだ実習もきっかけとなり、大迫さんは司法福祉の分野に興味をもった。司法福祉とは、非行や犯罪行為をした人への支援などのソーシャルワークである。

ソーシャルワークとは、人々のウェルビーイングを高めることなどを目指すとともに、人々や構造、社会に働きかけるものである。ソーシャルワークには、ミゾ・メゾ・マクロの三つのレベルがある。

学部時代に執筆した卒業論文も司法福祉の分野を選んだ。テーマは、「保護観察対象者が直面する困難」だ。保護観察とは、保護観察官と保護司が、社会の中で生活を送っている対象者に、指導と支援を行うものである。現在は保護観察対象者に居住や就労の支援をすることが多い。

だが、これらの支援だけでは孤立という観点では支援が足りていない。大迫さんは、居場所づくりなどの個人が生きづらい要因を取り除く、「余暇時間」の支援に注目した。特にスポーツなどの、複数人で取り組める活動に注目しているという。「それらの支援は居場所づくりなどが目的だが、副次的な結果として再犯防止につながる」と語る。

余暇支援は、個人や家族を対象にするミクロレベルと、集団や組織などを対象にするメゾレベルのソーシャルワークである。一方、マクロレベルでのソーシャルワークは、コミュニティや国家など、社会全般の変革や構造に働きかける。

大迫さんが研究を続けたいと思った理由は、マクロレベルでのソーシャルワークにも取り組むためだ。「目の前にいない方や潜在的な方も視野にいれ、少しでも社会をよくしていきたい」と力を込めた。

(今村早織)

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