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(タイムスリップ)個の影響力を社会貢献へ―村山恵斗さん

 YouTubeのショートドラマで「5日連続遅刻」をかます冴えない新卒社員。その一方で、全国の大学ミスターコンテストで準グランプリに輝き、爽やかな笑顔と真剣なまなざしを向ける――。この極端な「ギャップ」を武器に、現代の自己ブランディングの在り方を体現するのは、村山恵斗(けいと)さん(22)(関西学院大学社会学部出身)だ。俳優としての顔、インフルエンサーとしての顔、多面的な役割を使いこなす彼の視線の先には、「絶滅危惧種の保護」という壮大な社会目標と理念がある。

 現在、YouTubeチャンネル『サラリーマンな日常』で「坂本」というキャラクターを演じている。寝坊で5日連続遅刻し、信用を失った挙げ句「会社に寝泊まりする」ことで熱意を証明しようとする破天荒なダメ社員役を、彼は等身大の演技でこなす。

 だが、その素顔は極めてストイックだ。2024年には「ミスターキャンパス関西学院」で準グランプリ、続く2025年3月には全国の王者を決める「MR OF MR CAMPUS CONTEST 2025」でも準グランプリを受賞。約8カ月にわたり、ファンとの対話を重視し、あるがままの喜怒哀楽をファンに伝えるライブ配信の姿勢を継続し、文字通り「日本一」を争う舞台を駆け抜けた。

 なぜ彼は、自身の露出にこだわるのか。その理由を尋ねると、明快な答えが返ってきた。「目的は、俳優やインフルエンサーとしての成功そのものではなく、獲得した知名度をもとに、将来的に『野生動物保護』の事業を立ち上げること。一個人の力では、密猟や土地開発といった国際的な課題が山積する野生動物保護に関わることは困難。だからこそ、まず自分に説得力と拡散力のある『影響力』を持たせる必要がある」。

 村山さん自身、哺乳類の写真を見て種名を特定できるほどの動物愛好家であり、その思いの強さは、人の何倍もある。

 村山さんの活動は、不確実な時代において将来に不安を抱える多くの学生に自分のやりたいこと、可能性は強い思いと行動さえ起こせば、最大化できるということを体現している。

 「坂本」として視聴者を笑わせ、「村山恵斗」として社会を変えること。それは野生動物保護、そしてエンターテインメントの在り方に新たな光を与えてくれるに違いない。

(越智優介)

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