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西宮から能登へ復興のバトンを繋ぐ 出張輪島朝市 関学にて開催

出張輪島朝市=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、田爪翔撮影

 学校法人関西学院と関西学院同窓会は11月24日と25日の2日間、出張輪島朝市in関西学院を関西学院会館2階レセプションホールで開催した。1日目は関西学院ホームカミングデー(記事下のボタンにリンク)と同時開催で行った。

装飾された関西学院会館入口=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、田爪翔撮影
有志の学生による寄せ書き=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、田爪翔撮影

 輪島朝市は石川県輪島市にて開かれ、歴史は1400年前まで遡り日本三大朝市に数えられる伝統ある朝市だ。今年1月1日に発生した令和6年能登半島地震に関連する火災で焼失したことにより現在は出張輪島朝市と銘打って全国各地で輪島朝市を開催している。

 今回、関学での輪島朝市に輪島の代表的な工芸品である輪島塗の茶碗や箸、日本海の海産物を使った干物など約20店舗が出店した。開店から2時間を経たずして、2日間で売り切る予定の品物が完売し、翌日分を急遽手配するお店ができるほど大盛況であった。

販売された輪島塗=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、松浦颯太郎撮影
輪島朝市の店舗の屋台=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、田爪翔撮影

 店舗の運営には関学生がボランティアとして関わった。関西学院大学災害コミュニティつむぎに所属している池田愛佳さん(社会学部2年)は運営を通して「(つむぎの)昨日の能登への募金活動、今日の販売という違った支援の形に携われて学んだことがたくさんあった」と能登への強い思いを込めながら語った。

 輪島朝市出店者の女性は「こんなにたくさんの方が来てくださると思っていなかった」とうれしさをにじませながら話した。続けて「阪神淡路大震災から復興したこの町をみて、輪島の復興もできると勇気づけられた」と同じ大震災を経験した西宮市を見て感じた思いを語った。

輪島朝市で品物を購入した女性は「漆塗りの食器を初めて手に取って美しかった。阪神淡路大震災を経験して他人事とは思えなかった。復興を頑張ってほしい」と話した。

輪島朝市の店舗の屋台=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、田爪翔撮影

 今回の出張輪島朝市を開催するにあたって関西学院同窓会西宮支部は半年前から調整を行った。同支部幹事長の木下裕介氏は「どれくらいの方が来てくださるか不安だったが思った以上の売れ行きでほっとしている。明日、(輪島朝市の方が)何も持ち帰らず全部を売る勢いでいきたい」と力を込めた。

 同支部長の薄井修司氏は「阪神淡路大震災を経験した思いが輪島朝市にたくさん来てくれたことに繋がったのだと思う」と述べた。

 また薄井氏はレセプションホールの上に掲げられた「わたしたちを忘れないで」という言葉について「自分が東北などの被災地に行ったとき、この言葉をよく聞いた。能登が忘れられたとき、復興は叶わなくなってしまう」と語った。続けて関学生に対しては「能登を忘れないでほしい。募金(能登の品物を)購入することでメッセージを送ってほしい」と伝えた。

(田爪翔)

レセプションホールの上に掲げられた「わたしたちを忘れないで」という言葉=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、田爪翔撮影
賑わう出張輪島朝市=2024年11月24日、西宮上ケ原キャンパス関西学院会館、松浦颯太郎撮影


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