関西学院大学は2月27日、関学教職員のためのSOGI研修を実施した。研修内のキーワードは、全ての人が持つ性的指向(Sexual Orientation)、性自認(Gender Identity)、性表現(Gender Expression)の総称であるSOGIだ。セクシュアルマイノリティが抱える様々な問題について、教員の目線からグループワークを通じて向き合った。
主催者である人間福祉学部の武田丈教授(58)は以前から関学大で開催しているレインボーウィークに携わるなど大学全体での多様性啓発のための活動に努めている。
本研修を受講した教員には、認定証が配布された。これには、学内でLGBTQ+の人々に対し、自分たちが味方であることを可視化する意図があるという。将来的には、受講者にストラップの配布などを計画している。一方で、「理解せずに付けている人も多い。ただ消費するだけでなく、自分の行動として実践してほしい」と強調した。
本研修で講師を務めた関学大出身の吉川ヒロさん(33)は、レインボーウィーク初回時のパネルディスカッションにも登壇している。トランスジェンダー男性でありパンセクシュアル(全性愛者)である吉川さん。性別を超えて、自分らしく生きていくことをたくさんの人に伝えるために、日々活動している。
吉川さんは総合政策学部卒業だが、人間福祉学部の武田教授とは1年生の頃から付き合いがあった。当時は自身がトランスジェンダーであることを公表していなかったが、教授の講義でゲイのカップルと出会ったことが転機となり、LGBTQ+といった性的マイノリティに関心を寄せていった。
現在は、学生に向けた講演を中心に、性差にとらわれず自分らしく生きることができる環境を作ろうと動いている。吉川さんは「教職員にこうした研修を開くところは少ない」と語り、関学大はそういった配慮への意識が高いと感じている。今後の目標として「学生を追い詰めることのないコミュニティを作っていきたい」と力強く話した。(岡﨑亮太)