関西学院大学の秋学期卒業式が17日から18日にかけて、西宮上ケ原キャンパスであった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、入場者を卒業生本人に限定した。同大は昨年、新型コロナの影響で秋学期卒業式を取りやめたため、2年ぶりの開催となった。今年の学部卒業生は5696人だった。
例年、卒業式は2回に分けて開かれるが、今回は感染症対策で4回に増やされた。17日午前は文学部と経済学部の卒業生が出席した。入場できなかった学生の家族らが式を見られるように、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で式の様子を生配信した。
式では、卒業生は校歌を歌わず、静かに演奏を聴いた。式後の中央芝生では、職員が卒業生や保護者に対し「写真撮影後はすぐにマスクを着けるように」と呼び掛ける場面もあった。
舟木讓院長は「皆さんの前に広がる無限の可能性に満ちた大海原へ、自信を持ってこぎ出してほしい」と激励した。村田治学長は「社会の変動に対応するために自己を鍛え、その成果を世界人類のために役立ててほしい」と話した。
この春、空調メーカーに就職する経済学部4年の男子学生は「雲一つない、とても良い天気の下で卒業式が無事にできて良かった」とし「コロナ禍で思うように動けないことも多かったが、だからこそできたこともあった」と学生生活を振り返った。
文学部4年の娘を持つ父親は「晴れ姿を撮りに、娘の入学式ぶりに大学に来た。卒業式に参加できないのは仕方がないと思う」と話した。(柴崎辰徳)